岩手県 「着手済みの12区間優先 「復興道路」で県方針」

着手済みの12区間優先 「復興道路」で県方針

岩手日報110519】県は18日、東日本大震災の復興ビジョンの重点事業に盛り込む三陸縦貫道などの「復興道路」について、事業着手中の県内12区間約90キロを3年間で重点整備する方針を示した。5年以内の全線開通を目標に、未着手の約230キロ区間についても早期事業化を国に強力に働き掛ける。

 県が復興道路と位置付ける高規格道路は、沿岸部を走る縦軸が三陸縦貫道(県内延長103キロ、整備率36・8%)、三陸北縦貫道路(同90キロ、6・9%)、八戸・久慈自動車道(同30キロ、10・7%)の計223キロ。

 内陸と沿岸を結ぶ横軸は東北横断道釜石秋田線(同79・3キロ、37・6%)と宮古盛岡横断道路(同100キロ、1・4%)となる。

 このうち三陸縦貫道で2016年度以降完成予定の釜石山田道路(23キロ)、吉浜道路(3・6キロ)、釜石秋田線で12年度に完成予定の宮守―東和(23・7キロ)など12区間が事業着手済み。県は3年間の重点整備で、これらの区間を優先的に進める考えだ。

 また、全線開通を目標の5年以内に間に合わせるため、県は未着手の区間についても早期の事業化を国に強く働き掛ける。

 高規格道路は、今回の震災で避難道路や救援物資の輸送路として有効に機能。県は国に対し、地元負担への全面的な財政支援を要望している。

 県復興局の平井節生副局長は「沿岸復興のために不可欠な道路だ。整備による経済効果は度外視して、用地買収などの見込みが付いた部分から事業化を進めてほしい」と国に求めていく。

(2011.5.19)