宮城県石巻市 「石巻の仮設 60歳男性自殺」

石巻の仮設 60歳男性自殺

読売新聞110917】石巻市の仮設住宅「開成団地」で9月11日、入居者の男性(60)が死後1週間程経過したとみられる遺体で発見されていたことがわかった。遺体の状況から自殺とみられる。

 石巻署などによると、11日午後、仮設住宅を訪れた男性の親族が、室内で倒れている男性を発見。腹部に自分で刃物を刺したような傷があったことなどから、自殺の可能性が高いという。

 市によると、この仮設住宅団地は、6月に入居が始まり、男性は8月頃に1人で入居した。

 隣の部屋に住む女性会社員(21)は、「隣に入居者がいたことも知らなかった。すごい臭いがしていたが、まさか人が死んでいるとは思わなかった」と驚いていた。

 別の棟に住む無職男性(62)によると、死亡した男性は震災以前、漁業関係の仕事をしていたが、最近はがれきの撤去作業に従事していたという。無職男性は「顔を見ると、明るく声をかけてくれていたので、自殺するようには見えなかった」と話していた。

 同団地には現在、約1100世帯が入居しているが、住民の自治組織などはないという。同市仮設住宅運営管理室の金子敬室長は「自治組織を作るよう促しており、入居者のケアについてさまざまな対策を取っている。同じ事が起きないよう予防策を考えたい」と話した。