一関市が被災者窓口一本化 沿岸から千人以上転入
【岩手日報110519】一関市は23日から東日本大震災の被災者を対象とした相談総合窓口を開き、1カ所で罹災(りさい)証明や支援金などの手続きができるワンストップサービスを開始する。沿岸部から千人以上が移り住み、市内でも家屋が損壊した住民は多い。被災者情報をまとめる「カルテ」や避難世帯台帳も作り、迅速な支 援に役立てる。
窓口は一関市役所本庁舎1階ロビーに開設。新たに配置する非常勤特別職の支援相談員9人と市職員3人が、各種制度の相談や申請を一括して受け付ける。
対応する業務は▽罹災証明▽義援金▽被災者生活再建支援金▽災害援護資金貸し付け▽雇用促進住宅や仮設住宅(民間賃貸住宅などを含む)―の相談、申請。
これまで被災者は、窓口が異なると、複数部署に出向かなければならなかった。市は、住所や必要な支援などを把握する世帯ごとのカルテも作成。被災者が制度を知らないことによる「支援漏れ」がないよう対応する。
市によると、陸前高田市や気仙沼市など沿岸から一関市内に移り住んだ人は1千人を超えたが、転入届けを提出していない世帯は多い。市はこれらの世帯が市民と同様に行政サービスを受けられるように各世帯の家族構成などを情報収集し、台帳を作成する。
市企画振興部の佐藤善仁次長は「支援メニューの一覧表も作り、被災者が早く的確な支援が受けられる体制整備を急ぐ」としている。
(2011.5.19)