水産業復興へ連携一致 宮城県漁港、知事と会談
【河北新報110730】27日に就任した宮城県漁協の菊地伸悦会長は29日、宮城県庁で村井嘉浩知事と会談し、県と連携して水産業復興に当たるとの認識で一致した。村井知事が提起した「水産業復興特区」については、話し合いを継続することを確認した。
菊地会長は、復興に必要な漁船を約4000隻、共同利用施設、漁具などの調達を合わせた費用が計830億円に上るとの試算を示した。その上で「1万人の漁民の復興に、これまで以上に力を貸してほしい」と全面的な支援を求めた。
村井知事は「水産業の復興を最優先に考えたい。多くの人が再び水産業に携われるよう、お手伝いをしたい」と、県漁協と連携して復興に取り組む考えを示した。
佐々木憲雄副会長、阿部力太郎理事長らが同席した。
会談後、菊地会長は記者団に「漁業者も民間の資金は必要だと思っている」と指摘。企業の安易な撤退に対する警戒感を挙げ「いろいろなルールを作ることで、安心感が出てくればいい」と述べ、特区によらない形での民間資本活用策を引き続き検討する考えを示した。会談での特区をめぐるやりとりについて、村井知事は記者団に「妥協点には至っていない。漁業者も手を組みやすい安心できる形について、話し合いをしていく」と述べた。