栗原のNPOにモンベル協力、登米に復興住宅 年度内開所
【河北新報110923】宮城県栗原市のNPO法人「日本の森バイオマスネットワーク」(佐々木豊志理事長)が、アウトドア用品大手モンベル(大阪市)の協力を得て、被災者向けの復興共同住宅を登米市に開設する。10月に造成工事を始め、年度内の開所を予定している。プレハブ仮設住宅の不便さを解消すると同時に、県産材の利用や自然エネルギーの導入で自然との共生も目指すという。
モンベルは8月、登米総合支所西側の宅地約1700平方メートルを購入した。同社は地元業者に発注し、この土地に8世帯が入居できる平屋の共同住宅(建築面積約360平方メートル)を県産材で建設。完成後はバイオマスネットが運営する。
事業は「手のひらに太陽の家」プロジェクトと名付けられ、人と自然、地域の共生を基本理念に据える。断熱性の低さや結露など不便も多く、原則2年で取り壊されるプレハブ仮設住宅の課題を解消。木質ペレットによる給湯・暖房ボイラーや太陽光発電も導入するという。
計画では、入居は周囲の支援が必要な震災遺児や母子家庭、原発事故で避難せざるを得ない親子に限定。入居者同士が自然にコミュニケーションを図れるように、台所と食堂、リビングを共用とする。
入居者の負担は原則、光熱費と食費だけとし、自立を支える。年間の運営費約1000万円を行政の助成や企業・個人の寄付で賄いたいという。
入居者の自立、退去が進めば、自然体験学習の拠点として活用する。
モンベルは「恒久的な被災地支援になると考え趣旨に賛同した。自然や環境との共生など共鳴する部分が多かった」と説明。バイオマスネットは「被災者の住環境の改善や心の支援に加え、経済復興、地域活性化にも寄与したい」と言う。
バイオマスネットは入居希望者や資金協力者を募集している。連絡先は0228(22)6721。