高台移転、来月にも着手 補正予算で前倒し
【河北新報120131】東日本大震災で被災した岩手県釜石市は30日、高台への集団移転事業について、早ければ2月中にも着手することを明らかにした。市は同日、高台移転で既に住民合意を得ている同市唐丹町花露辺地区の集団移転事業に関する調査や一部実施計画策定費2560万円を含む約2億2700万円の2011年度一般会計補正予算案を市議会臨時会に提出、可決された。
高台移転事業は、国が実質全額負担する復興交付金事業の対象。被災自治体の交付金計画の国への申請は31日に行うが、交付額決定は2月になる見込み。このため市は「スピード感が必要」と、市の一般財源で前倒しし、年度内の早い時期に着手する方針を決めた。市によると、高台移転を予算化したのは、県内の被災市町村で第1号という。
花露辺地区は68世帯のうち25世帯が津波で全半壊。うち12世帯が昨年12月、地区内での高台移転に合意した。
補正予算で市は2月にも、移転事業の一環として新設する道路の測量、地質調査、補償調査を開始。高台に建設する公営住宅は、13年度までの完成を目指す。