宮城県 「震災復興住宅全戸に太陽光パネル 宮城県の会議が構想」

震災復興住宅全戸に太陽光パネル 宮城県の会議が構想

朝日新聞110502】宮城県が各界の有識者らを集めて2日に初会議を開く「震災復興会議」は、被災者が将来入る公営の復興住宅や自ら建てる住宅などの全戸に、太陽光パネルを 設ける構想を打ち出す。設置費用の融資を国に求める。太陽光発電で余った電力を電力会社が買い取る制度を使って返す仕組みだ。

 座長に就く三菱総合研究所理事長の小宮山宏・前東京大学総長が、初会議で提案する。会議は8月をメドに震災復興計画をまとめ、必要な支援を国に求める。

 小宮山氏は1日、朝日新聞の取材に「毎年の収入で初期投資分を返せば、その後の収入は生活費の足しになる。全戸が一括購入すれば安くなる」と語った。自然エネルギーの普及に弾みをつける狙いもある。

 太陽光発電の余剰電力を電力会社が買い取ることを義務づけた「固定価格買い取り制度」は、2009年にスタート。経済産業省によると、電力を1日10キロワット時使う家庭に平均的な太陽光パネルを取りつけると、年間約9万6千円の収入が見込まれるという。

 宮城県内では1日までの判明分だけで住宅5万5千戸が全壊、1万2千戸が半壊した。県は約3万戸の仮設住宅が必要と見ており、被災者の恒久的な住まいになる住宅も相当数必要になる。(田伏潤)