「支援活動の拠点に」…石巻市中心部にシェアオフィス
【石巻日日120116】石巻市の若手商店主を中心に復興に取り組む「石巻2・0」が同市中央2丁目の新田屋ビル1、3階にシェアオフィス(貸事務所)を開いた。12日はオープニングセレモニーが開催され、大勢の人が地域の将来について語り合う姿がみられた。オフィスは、復興にかかわる個人や団体の拠点としてスペースを提供していく。
施設は、石巻2・0がサポートする「石巻工房」が運営。同工房は地域住民の建物修繕などの支援をしようと建築デザイナーらが設立した団体。石巻ブランドの製品を創作し、将来も存続する地域のものづくりの場を目指している。
工房の代表は、東京の建築設計事務所の芦沢啓治社長。震災前に市内の旅館の改装を手がけた縁で復興にかかわるようになった。工房長は津波で職を失った石巻市立町1丁目の元すし職人の千葉隆博さんが務めるほか、石巻2・0実行委で構成している。これまではオリジナルデザインのいすやベンチを製作し、東京などで販売してきた。
オープンしたシェアオフィスは元々、同工房が作業場として使用していた。石巻で復興をサポートしている団体が仮事務所として活用してもらう。使用者それぞれが横の連携を深めることも目的の一つだ。
1階はオープンスペースとしてインターネットとプリンター、FAXなどを完備。会議やイベントにも対応できる。3階はシェアオフィススペースやロッカーなどを備えている。
使用料は今後、詳細を詰めていく。ほとんどの設備を使用できる正会員、1階のみの準会員、さらに1日限定利用のビジターなどでそれぞれ料金設定を行う。
芦沢代表は「使い方を含め、地域の皆さんと一緒に考えていきたい」と呼び掛けていた。