岩手県 「沿岸市町村14年10月までに生活再建 県が復興工程表」

沿岸市町村14年10月までに生活再建 県が復興工程表

岩手日報110513】県は津波で被災した沿岸部の市町村を対象に、2014年10月までに生活再建を完了させることを目標とし たまちづくりの復興工程表を作成、12日から説明を開始した。8月にまとめる復興計画を踏まえ、各自治体が区画整理と集団移転の2通りでまちづくりを進 め、集団移転は14年度初めの完了を想定。県が公営住宅を建設することなども盛り込んだ。並行して防潮堤などの復旧・整備を進める方針で、住民の安全確保 にも努める。

 工程表は、被災者の住宅建設や購入などに最大300万円支給される生活再建支援制度の申請期限となる14年4月を基軸に 設定。同月に申請して住宅を新築する場合、完成時期と予想される同年10月を生活再建目標に据える一方、逆算して必要な施策や作業スケジュールの想定など をまとめた。

 まちづくり工程表では県、市町村の復興計画を踏まえ、市町村が本年度内に事業計画案を作成し住民説明を実施。区画整理は土地の造成やかさ上げをし、集団移転は高台の用地取得や造成を14年度初めまでに行い、その前後の住宅建設を想定している。

 このほか、住宅確保策として県による公営住宅の建設なども12~13年度に想定。現在2年間となっている仮設住宅の入居期限を生活再建が完了するまでの最長3年6カ月に延長することを国に求めることなども見込む。

 一方、並行して実施する安全確保策も提示。沿岸部で損壊した防潮堤などの応急復旧を台風期が来る今年7月までに終え、来年7月からは本格復旧や整備に入る。市町村が行う危険区域の建築制限なども合わせて対応する方針だ。

 県が同様の工程表を示したのは初めて。市町村などからの要望を受け、復旧・復興事業や今後のまちづくりに向けたスケジュールのモデルとして示した。

 県都市計画課の渡辺健治総括課長は「市町村が策定する復興計画の目安として工程表を作成した。この目標に向けて支援を強化したい」としている。

(2011/05/13)