「名取の台所」が再開 被災の22店7事業所 美田園に仮店舗
【河北新報120205】東日本大震災で被災した宮城県名取市に仮設店舗「閖上さいかい市場」がオープンし、4日、同市美田園7丁目の現地で式典があった。
仮設店舗・事務所には同市閖上地区で被災した鮮魚、精肉、かまぼこ、すし、生花、理髪店など22店と7事業所が入居した。
式典では閖上さいかい市場振興会の伊藤喜光会長が「待ちに待った第一歩が踏み出せた。名取の台所、交流の場として、元気や笑顔を発信していきたい」とあいさつ。関係者らがテープカットしてオープンを祝った。
会場では閖上太鼓保存会による太鼓演奏が行われて雰囲気を盛り上げ、閖上特産のコダマガイ汁や揚げかまぼこが無料で振る舞われた。各店舗には生鮮食料品などの品物が並び、大勢の買い物客でにぎわった。
愛称の「さいかい」は「事業の再開」と「お客さまとの再会」の意味を込めて名付けられた。営業は午前10時~午後7時。水曜定休。連絡先は市商工会022(382)3236。
閖上から5キロ移転、仮設商店街開業
【120204毎日新聞】東日本大震災の津波で壊滅的被害を受けた宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の商店や事業所が入った仮設商店街「閖上さいかい市場」が立春の4日、開業した。同地区から約5キロ離れた内陸の住宅地で営業。近くには約300戸の仮設住宅もあり、商店街を中心に復興を目指す。
名称には「事業の再開」と「お客様との再会」への願いを込めた。プレハブ一部2階建てに鮮魚店や飲食店、幼稚園など29戸が入っている。この日は特産の揚げかまぼこや小玉貝汁が振る舞われ、大勢の買い物客らでにぎわった。
近くの仮設住宅で暮らす橋浦より子さん(75)はなじみの総菜店を震災後初めて訪れた。「(店主と)『あんたも生きていたんだね』と喜んで再会した。お互い頑張ろうと励まし合いました」と話した。【