日時:2019年2月27日(水)
会場:3月に解体される50年以上前の古いタイプの母子生活支援施設(旧母子寮)
主催:新建東京支部
たまたま知り合いになった母子生活支援施設(旧母子寮)の方から、3月に解体される50年以上前の古いタイプの母子寮の見学にお誘いいただいたので、都合のつく杉山さん、新井さん、大崎と、社会学で女性の貧困を研究する丸山さん、婦人保護施設職員の矢島さんの5人で見学してきました。かつての母子や女性にまとわりついてきた視線がそのまま建築空間に写像されています。それでも施設では様々な工夫で新しい視線、例えば「更生保護」から「保護支援」、そして「生活回復」といった時代ごとの視線に応えようとしてきていました。けれど、DV被害者の増大といった状況変化とともに、「地域に開かれた施設」という思いと外の目にさらされない「危険からの緊急避難場所」でなければならないといったダブルバインドにもとらわれています。建築のあり方はそうした課題にどこまで答えられるのか、大きなアポリアを垣間見ることになりました。けれど、施設の皆さんからも、建築などの物的なありかたを考えていける専門技術との連携、議論の場を期待されていました。
これからも長く一緒に考えていけるようにしたいものです。