2015年6月14日、新建築家技術者集団・全国常任幹事会は 『安全保障関連法案(戦争法案)に反対する声明』 を発表しました。
安全保障関連法案(戦争法案)に反対する声明
集団的自衛権の行使などをもりこんだ安全保障関連法案が今国会で審議されています。この法案は海外での武力行使に道をひらき、アメリカなどが行う軍事行動に後方支援と称して参加する、まさに「戦争法案」そのものであり、戦争を放棄した憲法9条をまっこうから否定するものです。
私たちは、「国土を荒廃から守り、かつ環境破壊を許さず、人びとのねがう豊かな生活環境と高い文化を創造する目的をもつ」とする憲章を掲げています。その憲章の6番目に「建築とまちづくり、生活と文化、自由のために平和を守ろう」と宣言し、私たちの活動の大前提として平和を位置づけています。
私たちは、この法案は憲章の理念をもとに心血を注いでそこに住む人々と共同でつくりあげてきた住まいや環境、つちかってきた建築技術や技能、そしてなによりも生命と財産を根こそぎ奪う戦争につながるものであると考えます。
法案審議の中で、この法案の危険性が明らかになるとともに、法案の中身のあいまいさが次々と露呈し、「戦争をする国」を前提にしてつくられた法案であることが明らかになってきています。また、参考人として国会に招請された3人の憲法学者全員がこの法案は憲法違反であると述べ、その後も多くの憲法学者が同様の表明をしています。このような事態を背景に、8割を超える国民が今国会でこの法案を可決することに反対しています。
平和を語る上で一片の道理も持っていないということがもはや明白です。
みなさん、この法案の強行を許すと私たちの仕事であるデザインも豊かな生活空間の創造も根底から崩されてしまいます。平和を守ることは私たち建築職能を守ることと人々の生活と文化を守ることに他なりません。
この法案の成立を阻止するために、ともに声をあげましょう。
2015年6月14日
新建築家技術者集団・全国常任幹事会